農業農村工学会誌
Online ISSN : 1884-7196
Print ISSN : 1882-2770
78 巻 , 11 号
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
 
  • 田村 孝浩, 守山 拓弥
    2010 年 78 巻 11 号 p. 895-898,a1
    発行日: 2010年
    公開日: 2019/01/08
    ジャーナル フリー

    圃場整備に期待される役割の1つに維持管理労力の節減がある。しかし施工地区が傾斜地である場合,整備後に長大な法面が出現し耕作者から「従前よりも管理が大変になった」と評されることがある。そこで本報では,維持管理労力の省力化や負担感削減を図る圃場整備手法を体系化するための基礎として,事例地区を設定し,圃場整備前後における畦畔・水路・農道の管理作業面積を定量的に評価した。その結果,事例地区では,耕作者個人に帰属する畦畔の管理作業面積は大幅に減少した一方,共同組織が管理する水路の法面面積は増加傾向を示した。これを踏まえ,維持管理コスト縮減に向けた圃場整備計画について考察し,網羅的な事例調査の展開,維持管理労力の節減効果の客観的評価,ワークショップを通じた管理方法の事前検討などが重要であることを指摘した。

  • 北川 巌, 常田 大輔, 原口 暢朗, 若杉 晃介
    2010 年 78 巻 11 号 p. 899-902,a1
    発行日: 2010年
    公開日: 2019/01/08
    ジャーナル フリー

    高生産性な農業の実現には,積極的な排水性改善の必要がある。そのためには,暗渠の新設のほかに,段階的に補強する排水整備技術の充実が必要である。筆者らは,既存施設の状況に応じて追加的かつ低コストに排水改良が実施できる,新たな有材心土破砕と穿孔暗渠を開発し,広範囲の土壌に対する排水改良工法を充実させた。これら補助暗渠には,資材を用いて広範囲の土壌において長期間にわたり機能を持続できる有材心土破砕と,資材を用いずに適した土壌において通水孔を維持する穿孔暗渠があり,適用土壌と耐用年数に特徴がある。いずれの補助暗渠とも,増収と品質向上の効果により短期間での施工費の償還が可能で,既存施設の長寿命化や抜本的整備の合間に行う補強的な整備に活用できる。

  • 村島 和男, 臼池 秀紀, 池 登志幸, 中田 芳夫
    2010 年 78 巻 11 号 p. 903-906,a1
    発行日: 2010年
    公開日: 2019/01/08
    ジャーナル フリー

    石川県では,暗渠排水に関する県の技術指針が2002年に改訂される以前の施工においては,疎水材としてもみ殻が利用されていた。しかし,もみ殻を単独で使用した暗渠は,暗渠溝(疎水材の充填部)が収縮し,同時にもみ殻が劣化するので暗渠の機能が劣化することが多い。このような場合には,新たに暗渠を再施工する事例が見受けられるが,農家の費用負担が大きく着手しにくい。そこで,暗渠管はそのまま残し,暗渠溝を拡充してもみ殻のみを新しい疎水材と取り替える方法なら,費用を縮減でき,また農家が納得する暗渠機能の回復方法になり得ると考え,実際の圃場で試験施工を行い,その効果と施工上の注意点について検討した。

  • 冠 秀昭, 菅原 強, 岩佐 郁夫, 千葉 克己
    2010 年 78 巻 11 号 p. 907-910,a1
    発行日: 2010年
    公開日: 2019/01/08
    ジャーナル フリー

    水田の汎用利用が進められているが,その整備コスト,あるいは汎用水田としての機能維持および機能発揮の面で困難に直面している場合がある。そこで,暗渠排水工事の低コスト化,土壌水分環境の制御と維持管理の簡易化を可能とする低コスト暗渠排水を考案し,現地実証試験を行った。その結果,考案した新方式暗渠では従来方式暗渠と同等の暗渠排水量が測定され,降雨後における作土層の土壌水分張力もほぼ同様に推移したことから,両方式の暗渠は同等の排水機能があると認められた。また,同時に行ったダイズの栽培試験では,両方式の暗渠で同等の収量が得られたことからも,考案した新方式暗渠は従来手法と同様に現地に適用できると考えられた。

  • 石井 敦
    2010 年 78 巻 11 号 p. 911-914,a2
    発行日: 2010年
    公開日: 2019/01/08
    ジャーナル フリー

    国際的に見て高い日本のコメの生産コストを削減するには,零細性(経営規模と水田区画規模の零細性)の打破が何より重要である。近年になり担い手農民への農地利用集積によって,経営規模の零細性という難病は治癒の可能性が見えてきた。本報では,残る区画規模の零細性の解消策として巨大区画(畦区)水田整備をあげ,これを実現して生産コストを低減するためには農地利用集積・その集団化・さらにその巨大畦区化を一挙に行うことが重要であり,しかも巨大畦区化で灌漑施設や道路等の整備コストが大幅に節減できること,また,複数のコメ専作の担い手農民を中核とした複数集落にまたがる「集落営農」方式によると巨大畦区を実現しやすく,かつ望ましいことを論述した。

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