2010 年 78 巻 2 号 p. 155-158,a2
滋賀県にある野洲川の基幹水利施設である石部頭首工は,施設の完成後約半世紀が経過し,施設の老朽化等,洪水時の管理に係わる重大な機能低下が生じていた。このため,国営総合農地防災事業「野洲川沿岸地区(一期)」(平成11年度~18年度)により,頭首工の全面改修を行い,多自然型(緩勾配型),アイスハーバー型,傾斜導壁型の3タイプの魚道を設置した。本報では,特に事業の環境配慮という観点から,新頭首工の魚道の設計と完成後の魚類調査について報告する。