本報では,地形が複雑な中山間農地において適用可能な,アメダス観測値から任意地点の日射量および気温を推定する手法を紹介するとともに,中山間地域におけるアメダスデータの活用例として,霜発生率評価法および葉いもち病の発生危険度評価法を紹介する。霜発生率評価法では,津山気象台の地上気象原簿から霜発生率[旬の総日数に対する霜発生日数の割合]を,また葉いもち病の発生危険度評価では病害虫防除所の巡回調査データから葉いもち病平均発生程度を算出した。そして,霜発生率および葉いもち病平均発生程度の推定モデルをアメダス観測値から開発することで,霜発生率および葉いもち発生危険度を中山間地域で評価した。