東京大学農学部水利環境工学研究室では,研究室へ配属された直後の4年生に,卒業研究が本格的に始まる前の4~6月に,「小学生への農業用水の環境教育」へ取り組んでもらっている。これまで3年間の活動により,大学生が小学生に行う環境教育は,次世代を担う小学生に対する影響だけでなく,大学生の学問や現場に対する姿勢にも大きな影響を与えることがわかった。また,このような活動は,水利施設管理に関連したさまざまな機関相互の連携を強化するインパクトを持っていることも示された。本活動は,農業農村工学の認知度を上げるといった点に加え,子供や学生に農業-食-人をつなぐ水の役割を啓蒙するという点においても価値のある活動であるといえる。