農業農村工学会誌
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棚田保全活動による耕作放棄地対策と地域活性化
中里 良一
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2011 年 79 巻 4 号 p. 255-258,a1

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抄録

静岡県菊川市上倉沢地区は,約400年前から開田が始まり,昭和40年頃には約10ha, 2,000枚以上の棚田で構成されていた。しかし,他地区と同様に,農業をめぐる情勢や農家の高齢化などにより耕作放棄が進み,平成10年頃には,50a, 100枚程度の棚田を残すのみとなっていた。本報では,地元の茶生産農家有志が,①NPO法人化,②「棚田オーナー事業」の導入,③「棚田市場」の開設,④学生サークル「静岡大学棚田研究会」の設立などに取り組み,棚田の現状維持だけではなく,耕作放棄地解消による棚田の復活や,棚田や耕作放棄地対策そのものを材料にして地域活性化に取り組んでいる事例を紹介する。

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© 2011 公益社団法人 農業農村工学会
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