農業農村工学会誌
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東日本大震災で被災した排水機場の早期復旧
菅原 喜久男杉澤 靖夫狩野 吉浩
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2012 年 80 巻 11 号 p. 903-906,a2

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抄録

東日本大震災によって,宮城県沿岸部の農業用施設は甚大な被害を受けた。排水機場の多くが,津波とがれきの衝撃を受け損傷,さらに,地盤沈下により自然排水量が減少し農地が海水に浸った状態で排水機能不全に陥った。地域を所管する宮城県東部地方事務所では,排水機場の機能回復を復旧の最優先事項とし,本復旧までの間,仮稼働させるための応急復旧対策を行った。本報では,震災から2カ月後の営農開始時期,3カ月後の梅雨時期,6カ月後の台風時期と限られた期間と厳しい現場条件の中で,早期復旧を命題に行われた応急工事の内容を報告した。また,本復旧については,地盤沈下による性能回復方法などの課題や対策,災害の教訓として現場の復旧作業を通して得られた津波に対応した施設計画の留意点を整理した。

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© 2012 公益社団法人 農業農村工学会
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