平成24年7月から施行された再生可能エネルギーの固定価格買取制度を契機として,農業水利施設を活用した小水力発電施設および農業水利施設への電力供給としての太陽光発電施設の導入が進められている。本報は,関東地域において,農業水利施設などの活用により建設された小水力発電および太陽光発電の実情を概観し,今後さらなる導入に向けての課題について述べたものである。小水力発電に関しては,①施設建設費の低減につながる発電地点の選定,②ゴミなどへの対応,③民間資金の導入時の留意事項,太陽光発電に関しては,①適地の選定,②出力の低下,③盗難やいたずら対策などの課題について,事例などを引用して述べた。