大洋州に数多く存在する環礁島の水資源は非常に脆弱であることから,マーシャル諸島共和国マジュロ環礁で唯一の農業地域であるローラ島の淡水レンズを対象として,水資源の有効利用を図る現地調査を開始した。淡水レンズを適切に保全・管理するための調査・研究活動の一環として,ラグーン(礁湖)側の海岸で現場揚水試験を実施した。ソフトウェア“AquaTestPro”を用い,Boultonの手法で時間-水位低下量の解析を行った結果,淡水レンズが存在する不圧帯水層の水理特性パラメータ(比産出量や透水係数など)を推定することができた。今後,この水理特性パラメータを用いたモデルシミュレーションによって,淡水レンズの塩水化対策の検討を行う。