2014 年 82 巻 1 号 p. 3-6,a1
国営造成施設の機能診断において平成19年度に制定された「農業水利施設の機能保全の手引き」は大きな役割を果たしてきた。手引き制定から5年以上が経過し,その運用を通じて見えてきた課題も多い。本報では,まず筆者の考えるストックマネジメントのあるべき姿を示し,その姿と現状との差を問題と捉え,現状のストックマネジメントの点検,健全度評価,劣化予測,LCC評価の各段階における問題と課題を整理する。さらに,ストックマネジメントの理念である予防保全を最大限に生かすためには,①定性的評価から定量的評価への転換,②予測評価技術レベルの向上,③施設のリスクを考慮した対策優先順位の選定,などを中心とした取組みが必要であることを提案する。