沖縄県の宮古島は川も湖もなく水に乏しい島であったが,世界初の大規模地下ダムの実証に成功し,現在は国営かんがい排水事業「宮古地区(平成12年度完了)」により整備された砂川・福里地下ダムにより農業経営が安定・発展しつつある。また,さらなる発展のために国営かんがい排水事業「宮古伊良部地区(平成21年度着工)」を実施中である。本報では,当地域における農業用水開発の歴史として,有史から水道普及までの時代,「水なし農業」の時代,沖縄本土復帰後の「与那覇湾淡水湖計画」と「地下水開発計画」などについて紹介し,その後,農業水利施設を次世代に継承するための具体的な取組みとして,「宮古水まつり」や「畑水の日」制定などについて紹介する。