水需要が拡大するエジプトで,排水の再利用促進は今後の水資源政策の柱となっている。一方で,エジプトの農村部では,ゴミの投棄のほか,生活排水の流入により排水路の水質汚染が深刻で,再利用の妨げとなっている。筆者らは,水利組合強化のプロジェクトに携わる中で,水利組合員や利害関係者とワークショップを開催し,問題意識を高めつつ,地域住民が参加する形でゴミ処理システムの構築と集落排水施設の設置による水質保全と排水再利用の促進を試みた。水不足と水質汚染に悩む途上国が少なくない中で,本事例は参考になると考えている。