農林水産省ではスマート農業実現のためにさまざまな取組みがなされており,その中の一つに衛星や低空リモートセンシングの利用があげられている。以前よりリモートセンシング技術は農業分野での利用が期待されつつも,実用化は一部に限られていた。しかし,近年センシング技術やデータ解析技術の開発が進み,今後,利用場面が拡大していくものと考えられる。リモートセンシングにはリアルタイムの診断技術としての役割を果たす一方,農地の生産性を維持するためのモニタリングや基盤情報の整備を目的とした情報収集の役割などが期待されるが,本報では,後者に着目し,大規模水田輪作地帯における圃場レベルの解析事例を紹介する。