わが国の総人口は2010年から2030年の間に8.9%減少すると見込まれているが,平地農業地域では17.3%,中間農業地域では25.3%,山間農業地域では37.5%減少すると推計されている。他方,農村の活性化には,産業の育成や雇用の確保,所得の増大などが必要であり,地域活性化による定住促進などの事例研究がさまざまな機関によって行われている。しかしながら,農業農村振興施策が人口変動に与える影響の分析は十分に行われていない。本報では,農村地域に位置する市町村の統計データを用い,農業生産力,6次産業化およびこれらを支える農業生産基盤整備が農村地域における人口変動に与える影響について検証を行った結果について報告する。