農業農村工学会誌
Online ISSN : 1884-7196
Print ISSN : 1882-2770
衛星リモートセンシングを利用した洪水灌漑圃場における水供給の不均一性評価
田中丸 治哉カリド アリ エルタイブ エラミン多田 明夫鳥井 清司バシール モハメド アハメド アダムアラヤ ゼライ ゲブラムラク
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2016 年 84 巻 9 号 p. 781-784,a3

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抄録

洪水灌漑(spate irrigation)は,季節河川における雨季の洪水を水路によって圃場に導水する灌漑方法であり,中東やアフリカなどの乾燥・半乾燥地域で古くから利用されてきた。本報では,大規模な洪水灌漑プロジェクトが実施されているスーダン東部のガッシュデルタを対象として,衛星リモートセンシングに基づくエネルギー収支法(SEBAL)を適用し,洪水灌漑圃場(耕作ミスガ)における蒸発散量の空間分布を推定した。さらに,その結果に基づいて,同じ耕作ミスガ内でも場所によって水供給量が異なり,蒸発散量がかなり変動すること,地表面の凹凸が激しい耕作ミスガほど,水供給の不均一が生じやすいことを示した。

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© 2016 公益社団法人 農業農村工学会
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