地域防災力を高めるためには,住民や自治会が平時から地域に起こりうる災害リスクを我がこととして捉える意識(我がこと防災意識)を持ち続けることが重要である。多くの地域では,防災マップの作成を通じた防災力向上が取り組まれているが,作成時に一時的に住民の我がこと防災意識は高まっても,時間を経るにつれて意識が薄れていく傾向が指摘されるなど,実行性のある防災力を持続することに苦慮している。本報では,住民や自治会の災害リスク対応能力を維持し向上させることを目的として,手作り防災マップの作成,雨量自主観測の取組み,自主防災行動指針の策定の3つの取組みからなる我がこと防災意識の醸成によって,地域防災力の維持・向上手法を提案する。