タンザニア国の小規模灌漑地区では,作付計画に基づく配水計画作りがほとんどされておらず,取水地点および各灌漑ブロックの分水地点にも量水施設がなく,灌漑水の量的管理がされていないのが現状である。このため2015年8月から開始した技術協力プロジェクト「県農業開発計画灌漑事業推進のための能力強化計画プロジェクトフェーズ2」では,5地区の実態調査をもとに水配分マニュアルを作成し,レムクナ灌漑地区におけるマニュアルの適用作業を通して水配分の改善を行った。その結果,灌漑ブロック単位での不公平な水配分が明らかとなった。また,水配分を改善するために2次,3次水路の補修工事が効果的であることが認められた。