本報では,もみ殻灰を混和したセメント改良土において,AE法を導入した圧縮強度試験を実施し,AE発生頻度とAEエネルギ指標から多孔質材料を対象とした精緻な材質評価を試みた。検討の結果,AEパラメータであるβ値を用いることで力学指標では明らかにすることができない詳細な材質や破壊挙動を評価できることが示唆された。加えて,圧縮ひずみ0.2%までの累積AEエネルギと粒子結合力との間に負の相関が明らかになったことから,累積AEエネルギ指標が多孔質材料の粒子結合力を表す有効な指標であることが示唆された。これらのことから,各種応力場において発生する弾性波のエネルギ強度に着目することで,材料の微細構造やその結合力を考慮した精緻な材質評価が可能になるものと推察される。