農業農村工学会誌
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付着藻類の窒素安定同位体比による窒素起源の推定
山崎 由理宗岡 寿美東 信行中西 厚木村 賢人辻 修
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2019 年 87 巻 2 号 p. 101-104,a1

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抄録

河川水中の窒素起源の推定を目的に,北海道東部の森林流域(2地点),畑作流域(1地点),畑・酪混合流域(2地点)および酪農流域(3地点)において,河川水中のイオン組成および付着藻類の窒素安定同位体比(δ15N)を比較検証した。調査期間は2015年7月および9月であり,10項目の溶存イオンおよび付着藻類のδ15Nを分析した。トリリニアダイアグラムにおいて,畑作流域はNO3-およびSO42-が優勢なイオン組成に変化しており,人為的影響が強いことが示唆された。このとき,畑作流域および畑・酪混合流域のδ15Nは2.1~5.4‰で化学肥料由来の窒素成分が河川に流出していた。一方,酪農流域のδ15Nは9.6‰と他流域と比較して高く,家畜排せつ物由来の窒素成分であると推定された。

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© 2019 公益社団法人 農業農村工学会
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