2019 年 87 巻 2 号 p. 121-126,a2
陸前高田市小友地区の被災水田では,盛土による水田再生の後,2014年から作付けを再開したが,翌年には収量が低下した。同じ水田区画内でも土壌の物理性・化学性が不均一だとイネの生育に差が生じるため,生育状況のモニタリングは,土壌環境に問題がある箇所の特定につながる可能性がある。本報では,本地区の被災水田のうち直播栽培が行われている箇所を対象として,ドローン搭載のマルチスペクトルセンサによるイネの生育モニタリングを行い,幼穂形成期から穂ばらみ期にかけての植生指数(NDVI,NDRE)と収量に強い相関があることを示した。またこれを用いて収量推定マップを作成し,収量の空間的なばらつきを明らかにするとともに,生育不良箇所を特定した。