「農業農村整備の新たなフロンティア」で「多様な主体が住み続けられる農村」を構築するための事例として集落営農が挙げられている。集落営農は農業生産の担い手として支援が整えられているが,地域生活の担い手としての支援は設けられていない。集落営農が地域生活面で役割を果たしているのかを明らかにするため,2019年度に新潟県長岡市山古志地区の集落営農の組合員などに聞取りを行った結果,組合員による集落行事や住環境の維持での働きがみられ,地域生活面での役割が存在した。本事例では,集落営農の設立には乾燥施設の造成,運営継続には米コンテストへの出品のような組合員の意欲を向上させる環境の形成が有効であったと考えられ,地域生活面での役割を加味した支援も必要ではないかという提案を行った。