2021 年 89 巻 2 号 p. 85-88,a1
世界農業遺産認定の宮崎県高千穂郷・椎葉山地域では,山腹用水路群をその重要な構成要素として明記したが,このことに対する地域住民の認識は低かった。そこで,山間地域のため受益面積が狭小にもかかわらず,数多くの用水路を開削してきた地域の歴史を踏まえた指標として,面積水路長を検討した。これにより,山腹用水路の意義を捉え直すことが可能であるとして,講演やフィールドワークイベントを通して住民に対して意義を伝える活動を続けてきたところ,住民自らが山腹用水路と自身のルーツを結びつけたり,地域の歴史を振り返るような意識の変化を示す事例が見られるようになってきた。そこで,この一連の取組みを紹介する。