近年,大型台風や集中豪雨の発生頻度が増加傾向にあり,全国各地で激甚な被害をもたらす水害が毎年のように発生している。こうした中,水田を活用した洪水被害の緩和対策である田んぼダムの取組みが注目されている。新潟県の事例から農家負担の少ない落水量調整機能と田面水深管理機能の分離が可能な落水量調整装置の運用が鍵を握る。しかし,農地整備事業実施済みの場合,既設排水マスの田んぼダム用排水マスへの交換を伴う場合には多くの費用を要するため,田んぼダム普及の足枷となっている。そこで,多様な既設排水マスに簡便に設置できる機能分離が可能な落水量調整装置を新たに開発した。本報では,本装置の特徴と効果を報告する。