1990 年 58 巻 4 号 p. 411-416,a2
有明海, とくに湾奥部はわが国で最も潮汐の干満差の大きい内湾である。そのため沿岸域における土木構造物の施工・維持管理, あるいは海苔養殖を中心とする沿岸漁業の展開は潮汐の影響を非常に大きく受ける.
そこで, 有明海の潮汐特性を明らかにするために, 湾口から湾奥までの6地点において長期的に観測された潮位データを用いて, 主要4分潮の潮汐調和定数 (振幅と遅角) および平均海面を求めるとともに, 海上保安庁が公表している従来の結果とあわせて, これらの地域的変化特性について検討したものである.