数式処理とは, 普段紙の上で行っている数式計算を計算機で行うことである。本文では, パソコンによる数式処理の有効性を示すため, 例としてファームポンドや調整池を含むパイプラインシステムに, 非線形系の近似解析理論である摂動法を適用し, 非定常解析に応用した結果を説明する。摂動法によれば, 非線形系の解は線形解 (母解) と補正項の和の形で求められる。すなわち, 非線形成分を数式解として求めることができる。これを検討した結果, パイプラインシステムが非常に線形に近いことが分かった。このようなパソコンによる数式処理は, これからの技術計算にも有効な手段となるであろう。