本論はかんがい排水審議会国際部会報告「21世紀における農業農村開発協力の展開方向について-食料・環境一生命と地球の未来を守るために-」(平成10年10月) について解説したものである。報告書は, 開発途上国の農業農村を巡る状況やこれまでの協力の実績と評価を踏まえ, 4っの視点-食料の安全保障, 地球環境の保全, 農業振興による農村社会開発,「人づくり」の推進-が重要としている。また, 農業農村開発協力に「人間中心の開発」の考え方を導入する必要性や砂漠化防止等地球環境問題へ対処する上で「村づくり」の活用を提言する等斬新な内容となっている。
