中南米地域の住民参加型による農村開発計画

抄録

中南米地域における農地・土壌侵食の問題は昔からの課題であるが, 従来から実施されてきた保全事業の効果は, 十分達成されなかった。この問題点解決のためには, 小流域を一っの単位として, 農民が事業の計画から実施まで主役として参加する住民参加型開発手法による事業実施と, 農民のニーズに焦点を当てた農業, 畜産, 林業などの多分野にまたがる総合的な農村開発協力が必要である。本報では保全事業実施の中で重要な, 村レベル, 小流域レベル, 個人農家レベルの3レベルにおける事業実施のアプローチ, およびその事業を担当する農業土木技術者の役割について紹介する。このアプローチは, アジア地域やアフリカ地域にも適用が可能と考える。