2008 年 76 巻 1 号 p. 17-20,a1
東南海・南海地震や直下型地震により土地改良施設が被災すれば住民に甚大な被害を及ぼすことが想定される。そこで, 大阪府では各施設が被災した場合の住民への影響度と, 推定値を用いた施設の健全度で耐震性の評価を実施し, この結果を基に土地改良施設耐震対策計画 (案) を平成18年度に策定した。この計画に基づき, 一定規模以上で住民への影響が大きいため池で老朽ため池の改修事業に着手する際は耐震性検討を行い, 基準に満たない場合は耐震改修を実施する。耐震性の基準は, 大規模地震によりため池の天端が常時満水位以下になるか否かとしている。判定手法は耐震性検討フローに基づき, 円弧すべり法, 静的解析, 動的解析等を実施する。本報はこの概要について述べたものである。