海岸沿いに設置された米須地下ダムにおける塩水浸入予測解析と対策に関して, 塩水浸入予測解析手法の検討結果, および地層の分散長を得るための現地試験結果について述べる。
塩水浸入予測解析手法の検討に当たっては, 室内模型実験を実施し, 塩水の挙動を把握するとともに, その結果を移流項の離散化手法の適用性等の検証データとして用い, 本地下ダムの塩水浸入解析に適したプログラムの選定を行った。また, 分散長を得るための現地試験 (トレーサー試験) は, 貯留池内の揚水試験用井戸と観測孔を利用して実施した。場の不均一性や標準曲線の適用性の限界から解析が困難なものもあったが, 分散長値を推定することができた。
