農業農村工学会誌
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水路の水草内の流速測定
広瀬 慎一瀧本 裕士浜田 明
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2008 年 76 巻 11 号 p. 999-1003,a2

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抄録

近自然水路工法においては, 魚類を保全の対象にすることが多い。魚類特に小魚の生息には流速を緩和し, 産卵にも使われる水草の存在が不可欠である。富山県西部の農業排水路の玄手川における調査の結果, 表層水の流速が50cm/sを超えるとトミヨの生息数が急激に減少することがわかっている。水生植物の繁茂する底幅5.1mの玄手川で, 電磁流速計を用いて詳細に横断面の流速分布を測定した。12回の観測結果から, 水草内の領域の平均流速は水草外の領域の平均流速の約30%に緩和されていることがわかった。

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© 社団法人 農業農村工学会
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