農業農村工学会誌
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山王海農業水利事業における施設整備の進展とその効果
三輪 弌鈴木 駿生郷古 雅春
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2008 年 76 巻 4 号 p. 329-333,a1

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抄録

岩手県山王海農業水利事業について施設整備の経緯を整理し, その効果を分析した。昭和29年完了の (旧) 事業によるダム建設と水利施設整備は, 旧田補水と新田開発のほか湿田改良, 圃場整備事業の促進, 計画想定外の畑地の水田化など多くの効果があった。取水堰合口による取水管理の容易化, 用水路システムの再編整備も進んだ。
(旧) 事業推進のため, 関係5団体の合併で一つの土地改良区にまとまったことは, 事業完了後の用排水管理の合理化に効果があったほか,(新) 事業の促進とそのさいの水路系統再編にも有効に作用した。なお, 1924年以降の月雨量記録と渇水の新聞報道を使って利水安全率を試算し, 旧山王海ダムの効果とその限界も明らかにした。

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