膠原病は自己免疫応答の異常を共通の病態基盤とする全身性自己免疫疾患であり,近年の分子遺伝学,分子細胞生物学,トランスレーショナル医学の進歩により,その病因・病態の解明が進むとともに,診断と治療に著しい進歩が認められる.特に,関節リウマチにおいては,さまざまな分子標的薬の成功がパラダイムシフトと呼ばれる劇的な治療戦略の変化をもたらしており,今後は新しい分子標的療法がリウマチ以外の膠原病でも開発され応用されていくことは疑いがない.また一方で,従来の標準的治療が奏効しない種々の膠原病難治性病態が重要なアンメットニーズとして残されており,真の病因や病態に基づく原因療法の開発が望まれる.