品確法の制定により公共工事の価格および品質に総合的に優れた内容が求められるようになったことを受けて, 鹿児島県 (本県) でも総合評価落札方式による工事発注の気運が高まっている。本報で紹介するファームポンド工事は, 本県が県営畑地帯総合整備事業 (担い手育成型) 知名西部地区に建設しているPCコンクリートファームポンド (内径31.6m, 有効水深10.5m, 有効貯水量8,000m3) だが, 奄美群島の南端に位置する沖永良部島という離島で劣悪な状態でのコンクリート工事が予想されるため, 県内でもまだ事例の少ない総合評価落札方式による工事発注形態をとり, 悪条件を克服した施工計画ができあがった。現在はそれに基づいて施工中であるが, 総合評価の評価項目の検討から, 最終的に落札した業者の施工計画書の作成までの経緯・手法について紹介する。