抄録
近年,製品ライフサイクルの短期化等により,我が国企業は迅速にイノベーションを創出していくことが求められている.このため,自社のリソースにとらわれず,外部から技術シーズ等を取り入れるなどによってスピードを高め,革新的な製品・サービス開発を可能とする手段である「オープンイノベーション」の重要性が高まっている.他方で我が国企業には過去の「自前主義」による成功体験があること等から多くの課題が存在する.こうした課題を克服するためには(1)経営陣の明確な意思決定,(2)これを進めるための組織構築,(3)オペレーションの積み重ね等の企業の取組が必要である.筆者が属する経済産業省では,こうした取組を後押しするため,ベスト・プラクティスの収集・共有や,予算・税制などによる支援を実施している.