2021 年 17 巻 1 号 p. 1_69-1_84
人工知能(AI)分野における共同研究の特徴と課題を明らかにするため,愛媛大学,島根大学,宮崎大学において,約5年間の企業等との共同研究の状況を調査した.件数は3.1倍,受入額は5.9倍に増加した.相手先の規模は「中小企業」が,業種は「情報通信業」と「学術研究,専門・技術サービス業」が多かった.技術分類では,「動画像処理」と「情報一般」が,従事した研究者は,「理工学系」が多かった.県内企業の割合は,愛媛大学が60%,島根大学が31%,宮崎大学が19%だった.地方国立大学におけるAI分野の共同研究では,増加が予測される業種とのマッチング,契約・規約の整備,人材の育成,地域における社会実装の推進が期待された.