2021 年 18 巻 1 号 p. 1_15-1_24
芸術系短期大学における知的財産教育の確立を最終目標として,山口芸術短期大学において2020年度に開講した「知的財産法入門」の教育効果を検証した.その結果,普段からデザインや音楽に関する作品制作・利用を行う学生にとって興味・関心が高い分野 (著作権,商標,意匠) に関する知識修得度が高いことを確認した.一方,特許に対する知識修得度が低く,教育改善の必要性が示された.また,文部科学省から知的財産教育研究共同利用拠点の認定を受けた山口大学から教材提供・研修を受けることによって,知的財産の専門家ではない教員であっても効果的な教育を実施できる可能性があることが示唆された.