2022 年 18 巻 2 号 p. 2_66-2_73
島根大学と島根県内企業との共同研究について,1995~2019年度の共同研究契約の情報をもとに,共同研究の継続性について調査,分析を行い,以下のことが明らかになった.
①共同研究の相手先企業は,合計145社で,そのうち,141社が中小企業であった.
②5年度以上継続して共同研究をおこなった企業は17社であり,多くの企業で継続した共同研究が行われていないことがわかった.
③共同研究が継続する要因の検討からは,継続する共同研究では,相手先企業が開発したい新製品のイメージを具体的に持っており,その技術的課題の解決と製品の性能の評価・検証を大学側で行い,かつ,大学との連携が企業の宣伝効果につながるというパターンを持っていることが明らかになった.