2025 年 22 巻 1 号 p. 1_35-1_44
大学等に対する研究成果を活用した大学発ベンチャー企業創出への期待が一層高まる一方でコンプライアンス遵守の要請も強まっている.大学等内にベンチャー認定規程の整備などの「スタートアップ・エコシステム」整備が進むなかで,リスクマネジメントの違いがベンチャー創出にどのような影響をもたらすかについてはこれまでは必ずしも明らかにされてこなかった.
そこで,本研究では日本国内の805の大学に,大学における大学発ベンチャー企業に対する認定規程の整備状況及び研究職員兼業の運用についてアンケート調査を依頼し,回答があった136の大学の回答を対象に,大学発ベンチャー企業の設立数に影響を及ぼしうるかについて検証を行った.その結果,大学研究職員の大学発ベンチャーとの兼業の制約が,大学発ベンチャー企業の設立数に影響を及ぼす可能性があることが明らかとなった.