2025 年 22 巻 1 号 p. 1_72-1_84
本論は,企業ガバナンスの場面で大学教員が経済的価値をもたらしているかに関する研究である.2017年と2022年の売上高上位200社の内,両年度に出現する167社を取り上げ,人数・専門分野・性別の変化と経済的価値(株価・売上高・時価総額増減率)の変化で分析を行った.その結果,2017年に教員取締役がいて2022年にさらに増やした企業は株価に有意差があった.また2017年に教員取締役のなかに「人文社会系」分野が存在せず,2022年に新たに「人文社会系」教員を迎えた企業は株価に有意差があった.株価の影響には様々な要因があるが,産官学で人的交流を促進し,教員取締役がさらに増えることが,株価に良い影響を与えていることが統計の検定結果から分かった.従って,大学教員は企業経営の場面でも貢献しているとも言える.