2010 年 6 巻 2 号 p. 2_56-2_62
特許ライセンス成功事例に共通して,企業は自己が開発した特許出願と同一の技術分野の特許ライセンスは受けないが,近い技術分野のライセンスを受けるという特徴的パターンの存在を見出した.ここで技術分野は国際特許分類(IPC)である.吸収能力理論は,企業は過去に習得した知識をベースに新知識を吸収するので習得済み知識と密に関連する分野が開発される傾向があるという理論である.この特徴的パターンは吸収能力理論の考え方と調和している.特許情報を系統的に探索してこの特徴的パターンに合致する出願人をライセンシー候補として抽出するコンピュータ支援システムを構築した.本システムは産学連携における新しいコーディネート支援ツールを提供する.