抄録
3種類の廃棄物再生材からの重金属類の溶出特性を,公定試験,アベイラビリティ試験,pH依存性試験およびカラム通水試験により検討した。
pH依存性試験では,Pbは酸性側とアルカリ側で溶出量が高くなり,Cr(VI) はアルカリ側または中性付近で溶出量が高くなった。Asについては,溶融スラグでは酸性・アルカリ性で溶出量が高くなるのに対し,ガラスカレット,発泡ガラスでは中性付近で溶出量が高くなった。カラム通水試験ではPb,AsはL/S2~5までに大きく溶出濃度が低下するが,T-Cr,Cr(VI) は,L/S10まで溶出が継続する特性を示した。地下水への影響を雨水の浸透を模擬して評価した結果,Asについては,地下水環境基準に対して1,060%の影響があるものがあったが,その他の資材については地下水環境基準に適合した。