廃棄物資源循環学会論文誌
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論文
バーク堆肥の堆積日数とアンモニアを有機化する微生物活性との関係
石黒 泰熊谷 淳逸福井 博一
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2009 年 20 巻 1 号 p. 61-67

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抄録
バーク堆肥の利用法としては,鉢物培土が有望であるが,発酵が不十分な堆肥ではアンモニアの発生や窒素飢餓などの障害が発生するため,正確な腐熟度判定が不可欠となる。バーク堆肥の一次発酵では,易分解性有機窒素化合物の微生物分解によって多くのアンモニアが発生すると同時に,そのアンモニアは他の微生物により有機化される。堆肥中の易分解性有機窒素化合物が減少すると,これらの微生物活性も低下する。本研究では微生物活性の指標としてアンモニアの消長に着目し,アンモニアと堆積日数との関係を検討した。堆積日数の短い堆肥のアンモニア含量は高く,アンモニア含量により一次発酵過程の判定が可能であった。一次発酵が終了したと推定された堆肥に硫酸アンモニウムを添加し,72時間後のアンモニアの消長を測定した。堆積日数が長い堆肥は短い堆肥に比べてアンモニアの減少が小さく,アンモニアの減少量により二次発酵の堆肥の腐熟度判定が可能であった。
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© 2009 一般社団法人 廃棄物資源循環学会
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