キャピラリーバリア型覆土の砂代替材として産業副産物を有効利用することができれば,砂の枯渇問題と廃棄物の減量化に貢献でき,循環型社会の形成の一助になるものと考えられる。そこで,数種の産業副産物を対象にキャピラリーバリアの性能試験を実施した。その結果,数種の産業副産物は天然砂と比較して粒度分布と側方排水性に相関がみられないこと,締固め度によって側方排水中の有害物質濃度が変化することが明らかになった。これらの結果より,産業副産物が利用できることがわかり,国内の最終処分場にフェロニッケルスラグを砂の代替材として使用したキャピラリーバリア型覆土を建設し,側方排水が一律排水基準を満足することが明らかになり,フェロニッケルスラグを用いたキャピラリーバリア型覆土を実用化した。これらの結果から,キャピラリーバリア型覆土の砂層材料に産業副産物を用いるときの設計手順を提示した。