抄録
処分場における比抵抗モニタリングの有効性を検討するため,模擬埋立層を用いたモデル実験を行った。大きさ180cm×100cm×50cmの塩ビ製土槽の底部をセルに区切り,その上に焼却残渣を充填し,厚さ35cmの模擬埋立層を作製した。この層に対して地表面から一様に散水するとともに2次元比抵抗探査を繰り返し行った。そして,得られた比抵抗とセルからの排水の量・質の関係に基づいて,浸出水の電気伝導率の低下が地層比抵抗に与える影響を検討した。その結果,地層比抵抗と浸出水の電気伝導率の変化は逆の相関を示すことが明らかとなり,さらに比抵抗変化率解析を用いて洗い出しの顕著なゾーンを捉えることができた。また,模擬実験としての妥当性を検証するために,実験の結果を実際の処分場で行った研究結果と比較したところ,両者は概ね類似した傾向を示した。