廃棄物資源循環学会論文誌
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論文
廃棄物を原料とした重金属固定剤の合成と鉛安定化性能
貝掛 勝也角森 道人土手 裕関戸 知雄
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2011 年 22 巻 6 号 p. 344-353

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抄録

都市ごみ焼却飛灰に対する鉛安定化性能の高い無機系重金属固定剤の開発を目的として,廃棄物由来原料 (鶏ふん焼却灰および模擬アルミニウム廃液) からリン酸アルミニウムの合成を行った。その結果,鶏ふん焼却灰に硫酸溶液を液固比5で加え,溶出pHを1以下に調製したリン溶出液に,模擬アルミニウム廃液を加えて合成pHを5以下にすることで,リン回収率も高く,ろ過性の良いリン酸アルミニウムが合成できることが明らかとなった。合成したリン酸アルミニウムを用いて安定した飛灰に対する環境庁告示13号試験の結果,リン基準の添加率で比較すると,市販のリン酸アルミニウムと同程度の鉛安定化性能を有することが判明した。低pHでの鉛溶出試験においても,高い鉛溶出抑制効果が見られたことから,さらなる改良により市販のリン酸アルミニウムと同様に長期安定性の効果を発揮することが期待された。

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© 2011 一般社団法人 廃棄物資源循環学会
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