廃棄物資源循環学会論文誌
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論文
膜分離溶媒抽出を用いた廃潤滑油再生手法の開発
義家 亮片岡 直也植木 保昭成瀬 一郎
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2016 年 27 巻 p. 37-43

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抄録

現在,潤滑油は多岐の産業分野にわたって使用されており,国内で年間80 万 kLの廃潤滑油が発生しているが,再生潤滑油としての再生割合は約 2 %に留まる。本研究で提案する膜分離を伴う溶媒抽出は,溶媒抽出の際に使用する有機溶媒のほぼ100 %がプロセス内で循環するため省資源であるうえ,残渣は廃油中の不純物成分のみであることから廃棄物を低減できる。本研究ではこの膜分離を伴う溶媒抽出による再生手法の実証を目指す基盤研究として,廃油・溶媒を連続供給する連続処理装置の構築,2 種類の廃潤滑油を用いた連続運転におけるプロセスの評価および再生基油の品質評価を行った。評価項目として硫黄,残留炭素,動粘度,炭素数分布,水分の測定を行った。15 時間に達する連続運転において再生基油抽出が定常状態に達し,また再生基油の品質も15 時間の抽出において顕著な低下はみられず,十分に再利用可能な品質であることが確認できた。

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© 2016 一般社団法人 廃棄物資源循環学会
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