廃棄物資源循環学会論文誌
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研究ノート
ホタテガイ貝殻の水熱抽出物の蛍光体および抗酸化性材料への利用
小林 淳哉 下野 功
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2017 年 28 巻 p. 178-183

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抄録

ホタテガイ貝殻の有効利用を目的に,蛍光体および抗酸化物質としての有用性を検討した。蛍光体としては,食品に直接印字する蛍光マーカーとしての用途を考え,希土類元素を用いることなく貝殻のみを原料として蛍光色をコントロールすることを目指した。このため,本研究では,ホタテガイ貝殻をオートクレーブによる水熱抽出物を賦活剤原料としてホタテガイ貝殻粉末に含浸し,二酸化炭素雰囲気にて焼成することで蛍光体を合成した。ホタテガイ貝殻は,白色と褐色で一対をなしているが,母体および抽出物として利用する貝殻の色の組み合わせと抽出物量によって青色から赤橙色に蛍光色を制御することができた。また,水熱抽出物を凍結乾燥させた乾燥試料は緑色の蛍光を示し,弱いりん光も発することを見いだした。さらに,抽出物はローズマリーの約 70 % の抗酸化性をもつことも明らかにした。

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© 2017 一般社団法人 廃棄物資源循環学会
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