廃棄物資源循環学会論文誌
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論文
焼却主灰早期安定化のための散水処理と鉛不溶化処理の組み合わせ検討
久保田 洋 繁泉 恒河肴倉 宏史佐藤 研一
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キーワード: 焼却灰, 安定化, 散水, 薬剤, 炭酸化
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2019 年 30 巻 p. 48-61

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抄録
焼却主灰のオンサイトでの安定化促進を目的として,散水処理による塩類等の洗い出しと組み合わせることが可能なPb不溶化処理の検討を行った。不溶化処理として,炭酸水素ナトリウム (SHC),リン酸 (PA),有機キレート (OC) の水溶液を散布する「薬液散布処理」ならびに CO2 ガスを用いた「促進炭酸化処理」について,カラム試験により検証した。
 薬液散布処理では,すべての薬剤で Pb 不溶化効果は認められたが,SHC 区,PA 区は主灰中の Ca とも反応が進み,カラム下層での効果の低減が示唆された。一方,OC 区では全層で Pb 濃度は 0.01 mg L-1 まで低下することが明らかになった。促進炭酸化処理では,CO2 供給量 30~40 g kgDW-1 程度を閾値に Pb 濃度の低下がみられた。CO2 濃度を 100 % から 10 % に変えた場合でも,ほぼ同等の効果が確認された。また散水処理と炭酸化処理の順番についても,その影響を調査した。
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© 2019 一般社団法人 廃棄物資源循環学会
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