抄録
本研究では,近年,普及が進んでいるインターネットを通じたリユース (以下,ネット型リユースという) に着目し,その利用経験が不用衣服の排出行動に及ぼす影響を分析した。衣服の購入が多い 15 ~ 49 歳の女性を対象にウェブアンケートと統計分析を実施した結果,ネット型リユースの利用を経験すると,リユースショップのような従来型のリユースルートよりもネット型リユースの活用を好むようになることがわかった。また,ネット型リユースを現在利用していなくても,過去に利用した経験があれば,不用衣服をごみとして廃棄する行動は抑制され,リユースショップ等に出す行動が促進されることも明らかとなった。これらの結果より,ネット型リユースの利用経験が,リユースの具体的な方法を学んだり,不用衣服のリユース品としてのポテンシャルを認識したりすることに役立っていることが示唆された。