抄録
デジタル放送化等の影響も踏まえ日本国内でのテレビの使用・廃棄状況の推計を的確に行うための手法について検討すべく,使用年数の長期化の影響を考慮した解析を行った。解析はワイブル分布を用いた使用年数分布について,製品種の区分の有無により 2 つのモデルを設定して比較検討を行った。その結果ブラウン管テレビと薄型テレビで使用年数分布を同一としたモデルに比べ,種類によりテレビの使用年数分布が異なるとしたモデルが保有台数の推移の再現性が高いことがわかった。また後者のモデルについて,ワイブル分布を用いた使用年数分布から平均使用年数 (出荷から廃棄までの平均年数) を算出すると,ブラウン管テレビでは 12.8 年だったのに対し,薄型テレビでは 15.1 年と違いがみられた。近年普及している薄型テレビの使用年数がブラウン管テレビより長く,テレビの使用年数の長期化が考えられた。