廃棄物資源循環学会論文誌
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論文
  • ――地上デジタル化前後のテレビ製品の廃棄挙動を例として――
    髙橋 一彰, 平井 康宏, 酒井 伸一
    2021 年 32 巻 p. 1-10
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/03/06
    ジャーナル フリー
    デジタル放送化等の影響も踏まえ日本国内でのテレビの使用・廃棄状況の推計を的確に行うための手法について検討すべく,使用年数の長期化の影響を考慮した解析を行った。解析はワイブル分布を用いた使用年数分布について,製品種の区分の有無により 2 つのモデルを設定して比較検討を行った。その結果ブラウン管テレビと薄型テレビで使用年数分布を同一としたモデルに比べ,種類によりテレビの使用年数分布が異なるとしたモデルが保有台数の推移の再現性が高いことがわかった。また後者のモデルについて,ワイブル分布を用いた使用年数分布から平均使用年数 (出荷から廃棄までの平均年数) を算出すると,ブラウン管テレビでは 12.8 年だったのに対し,薄型テレビでは 15.1 年と違いがみられた。近年普及している薄型テレビの使用年数がブラウン管テレビより長く,テレビの使用年数の長期化が考えられた。
  • 小林 信介, 立花 友麻, 神谷 憲児, 板谷 義紀, 須網 暁, 中川 二彦
    2021 年 32 巻 p. 11-19
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/03/06
    ジャーナル フリー
    本研究では樹脂系乾燥促進剤の添加が無機汚泥の乾燥に与える影響を明らかにするため,乾燥促進剤として樹脂エマルジョンを混合した無機汚泥の乾燥実験を実施した。実験ではアクリル系樹脂エマルジョンを無機模擬汚泥に 0.8 wt% 添加し,エマルジョンの添加が汚泥の乾燥挙動に与える影響,および乾燥温度や汚泥サイズ等の乾燥条件が乾燥速度に与える影響について評価を行なった。乾燥促進剤の種類により汚泥乾燥挙動は異なるものの,無機汚泥においても少量の乾燥促進剤の添加により汚泥乾燥促進が可能であった。中でもアクリル系樹脂エマルジョン (DA10) の添加は汚泥中の水分移動速度低下を抑制させるため,比表面積が小さい大球試料において高い乾燥促進効果が得られることがわかった。一方で,汚泥への乾燥促進剤の添加は汚泥表面での水分の蒸発速度を抑制するため,乾燥促進剤の利用においては乾燥温度や汚泥乾燥試料形状等の最適化が極めて重要であることがわかった。
  • 小柴 絢一郎, 平井 康宏, 酒井 伸一
    2021 年 32 巻 p. 20-30
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/03/11
    ジャーナル フリー
    本研究では,国内で行われてきた PCB 対策による排出削減量をシナリオ解析によって推定した。2050 年までの排出削減量は,廃棄物保管が 65.9 ton, 分解処理が 65.6 ton, 保管厳格化が 17.4 ton であった。追加の PCB 対策として仮定した処理促進では 3 ~ 23 ton が削減されると推定された。分解処理等の PCB ストックそのものを削減する対策では即座に排出量が減少するとともに将来の排出リスクも減少する。一方で廃棄物保管はストックが維持されることで,長期的には排出量の減少傾向が小さくなる可能性がある。さらに,保管が長期化する場合には将来的に排出量が増加するリスクを伴い,紛失率の増加を仮定したシナリオでは累積排出量が 60 ~ 110 ton 程度増加すると推定された。以上から,PCB 廃棄物を保管することによって排出量は一時的に削減できるが,将来的な排出リスクも減少させるために分解処理が重要であることが示唆された。
  • ――平成 30 年 7 月豪雨の倉敷市の事例より――
    多島 良, 森嶋 順子
    2021 年 32 巻 p. 31-42
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/03/13
    ジャーナル フリー
    本研究は,家の中の片付けに伴う災害廃棄物 (以下,片付けごみ) が仮置場以外に排出され,災害廃棄物の処理に支障をきたすことを予防することに向け,仮置場以外に排出する被災者の行動実態とその要因を明らかにすることを目的とした。ごみ出し行動等に関する既往研究と,災害廃棄物処理事例の既報を参考に,距離,広報内容の理解,車両の確保,自宅前の道路幅員,発生量,記述的規範の 6 要因が影響すると想定した。平成 30 年 7 月豪雨で被災した倉敷市民を対象としたアンケート調査,多項ロジスティック回帰分析を含む調査結果の統計解析等の結果,仮置場が自宅から遠くに設置され,片付けごみを運搬するための車両が確保しにくく,広報により排出場所が理解できない場合に,仮置場以外への排出が促進されることなどが明らかとなった。これらの結果をふまえ,被災が想定される地域にまんべんなく仮置場候補地を確保することなどの事前準備について示唆を得た。
  • 劉 佳星, 重松 幹二, 為,田 一雄, 韓 佳江, 樋口 壯太郎
    2021 年 32 巻 p. 43-50
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/03/24
    ジャーナル フリー
    浸出水処理施設に脱塩処理を組み込む施設が増加している。脱塩処理を行うと,脱塩水とともに濃縮液や濃縮液を蒸発固化した乾燥塩が生成される (副生塩)。副生塩は近年,一部で凍結防止剤や電気分解により NaClO を生成させ,下水道終末処理場で消毒剤としてリサイクルされる例も出現している。しかし凍結防止剤を必要としない地域や近隣に消毒剤を使用する施設がない地域も多い。今回,リサイクル方法の選択肢の一つとしてバイポーラ膜電気透析装置 (BPED) を用いて,酸とアルカリを生成し,中和剤等として使用することを想定した開発研究を行なった。BPED は現在,有機酸塩から有機酸とアルカリを,無機塩から酸とアルカリを製造する装置として,食品,医薬分野等で使用されている。本研究では副生塩の発生源別 (一般廃棄物浸出水,産業廃棄物浸出水),排出形態別 (濃縮液,乾燥塩) に基礎的研究を行い,塩酸 (HCl) 2.82 ~ 4.23 mol/L,水酸化ナトリウム(NaOH) 1.43~3.04 mol/L を生成することができた。
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